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お茶と陶芸と染めと。全部がつながったものづくり【ケシキ 本田絵理さん】




ケシキという屋号で活動する本田絵理さんのお茶は優しい。

柔らかくて、透明感があって、飲み疲れなくて。私はすっかりファンです。




仕事の出張先でお茶に触れ、お茶の魅力を感じていた本田さんは、祖母のルーツでもあったお茶の産地 福岡県八女市に4年前に移住したのだそう。


彼女の活動からは、自然を活かすことや循環を感じます。

畑で茶の木を育て、お茶づくりをし、お茶にまつわる器をつくり、茶の木の剪定枝や身の回りの自然のものを使って、布を染めているんです。


初めてお会いした日も、本田さんのつくった紅茶と彼女の焼いた茶器でもてなしてくれました



「昔から食後のお茶の時間が好きだったのですが、仕事で各地を訪れた際、休憩時間にお茶を出してくれる機会があったんです。出してくださるのは、それぞれの地域のお茶で、全く違うものなのが興味深くて。

よりお茶に興味を持ったきっかけです。


 八女茶は甘みの強さや香りの良さがすごく好きだったのと、祖母のルーツだとも聞いて、遊びに来ました。

その後、ご縁もあって東京から八女に移住することに。


 今は、春~夏の初めにお茶をつくり、その他の時期は染めと陶芸をしています。」



彼女の育てている茶畑は、八女の中でも山間部。川が流れる集落の急な坂道の上にありました。

小さな川も流れるせいか、霧が立ち上り、畑から見下ろす風景はどこか幻想的。



畑の上の方にあった水の通り道。夏でもひんやりとした水が流れていました。



「春摘みの煎茶、春摘みの紅茶、夏摘みの紅茶の3つをメインにつくっています。煎茶と夏摘みの紅茶は機械で収穫をしていますが、新芽が美しく揃い、人が外で心地よく過ごせる春には手摘みの紅茶も作っています。


同じ畑で採れる葉から、季節によって香りや味の特徴に違いが生まれることに魅力を感じ、春と夏の2つの季節にお茶を作っています。」


春と夏の紅茶、どちらもいただいたことがありますが、それぞれ違った味わい。春摘みの紅茶は柔らかくて、夏摘みの紅茶は力強く、その時期の植物の成長をうつしているかのようです。


お茶の木は、お茶作りをするだけではなく、お茶の剪定枝から作った灰を器の釉薬に使ったり、茶の葉や枝で染め物をしたりするそう。身近にある自然のものと共に生きているように感じました。




畑や茶の作業がない時期に、本田さんはお茶回りの器もつくられています。


「糸から手織り物をつくるスタジオで働くうちに、自分も一から何かを作りたいという気持ちになりました。

 その暮らしの中で、つくる、ことをしていたのが、唯一料理だったんです。

 それもあって器っていいなと思って。八女にいるのだからと、湯呑みをつくり始めました。


 陶芸家の方を訪ね、やきものと暮らしのヒントをもらったり、地元で陶芸をされている方にろくろの使い方を教わったり、自分なりの形で学んで器をつくっています。」


制作中のものが並ぶ棚には、新しく制作をはじめた、湯冷まし(左側)も。



自分で欲しいと思ったものだけをつくっているので、いろんなものは作れないんですけれどと言います。


「染め布はご縁のある方の布を仕入れて、身近にあるものを使って草木染めをしています。

 お裾分けいただいたクララだったり、庭で零れ種から育っている藍だったり、余ったお茶の木や葉を使います。

 染めた布は、展示空間に暖簾として設えたり、敷物に使っています。

 茶器のようにこれと思うアイテムを思い付いていなくて。お茶まわりで、草木染めの良さを感じられるものを思いついたら、お客さまに使っていただけるものもつくりたいなと思います。」


お茶の灰も使う釉薬は、染めの材料にも使うこともあるそう。



3つの活動は違うものだけれど、それぞれが影響を与え合って、より豊かな提案を増やしていっているのが、とてもいいなと感じます。


9月には彼女の生み出した、茶器やお茶、布を持って、飯能に来ていただきます。

きっと心地よい時間になるだろうなと、今からとても楽しみです。



 


9/7 sat, 8 sun  11:00~18:00 @REFACTORY antiques

ケシキ 本田絵理さんのお茶、陶器の展示をします。ご予約制のお茶会も予定しています。


お茶会のお申し込みはこちら


[ケシキのお茶と器の会]



ケシキ 本田絵理さんが奥八女の畑で育てつくったお茶と、彼女の焼いた茶器で、もてなしてくださる会です。


暮らしの中でお茶を使いこなす本田さん。気候や体調に合わせてお茶を選んだり、飲み方を変えたり…会うたびにお茶の面白さを教えてくれます。


今回は同じ茶畑から生まれた数種類のお茶を形状の異なる器でご用意します。ほんの少し知識が増えると、お茶の時間はずっと豊かなものになります。暮らしのささやかな楽しみとして、取り入れてもらえたら嬉しいです。


普段意識をしないけれど、お茶も植物の一種。植物豊かなイベントに合わせて、味覚からチャノキという植物の魅力に触れながらの時間をお届けします。





日時:9/7(土) 13:30~14:30、9/8(日) 13:30~14:30

   13:15までにREFACTORY antiques店舗にお越しください。

場所:REFACTORY antiques ハウススタジオ

参加費:2,500円、定員:各回 5名

お申し込みはこちらからどうぞ



ケシキ 本田絵理さん Instagram

奥八女で春夏は茶を作り、八女の草木で布を染め茶のまわりの器を焼いています。

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