建物向けのカーテン制作をメインに活動されている、テキスタイルデザイナー 庄司はるかさん。
大きな絵柄を施したするりと滑らかなレース地、ウールのハギレをのせたデニム地のカーテンなどをつくられています。
布小物も作られていた庄司さんに、テーブルの小物をお願いしたいですとご相談をして、春にご紹介できるように、少しずつ準備を進めています。
先日、テーブル小物に使う生地を制作予定と伺って、庄司さんのアトリエにお邪魔してきました。
この日制作をしていたのは、白いデニム地にウールのハギレをのせたタイプ。
カーテンになるときのサイズ感・イメージを想像しながら、その場でハサミを入れてウールのハギレをつくり、ふわりふわりとデニム地にのせていきます。
思った以上に思い切り良く、作られていくハギレ。あえて、ムラのある加減を意識しているのだそう。
「きちんと作りすぎると、アップリケを施した布のようになってしまうんです。
ハギレひとつとっても、作るひとの性格が結構出ます。
ピシッと作る人もいれば、ゆるくつくる人もいて、面白いんです。
絵筆と同じように、ハサミにもタッチがあるんだなと感じました。」
(ハギレになる前の布たち。サッと選んでは、どんどんハギレができてゆきます)
リズム良くどんどんと並べられていくハギレたち。時折覗き込むタブレットにはアイディアボードが。
どのようなイメージで生地を作っているのでしょう?
「この生地は、ステンドグラスをイメージしてつくっています。
ガラスではないですが、布が重なり合うのも面白そうだなと思って。
制作に没頭すると、いつの間にかいっぱいハギレを置きすぎて、雑然となってしまうので、
そうならないように、意識してリズムをつけるようにしています。」
こうして準備された布は、工場へ。
布同士に針を通して繊維を絡ませて密着させる、ニードルパンチ加工を施して、一枚の布になります。
カーテン制作の傍ら、ブックカバー、巾着、ティッシュケースなども制作されています。
「1人でやっているからこそ、大きなカーテンだけでなく、小さいものも、どちらも提案できると面白いなと感じている。」のだそう。
ロンドンの美術大学でテキスタイルの道に進んだ庄司さんですが、実は大学に進む前から、食の仕事に興味があったり、暮らしにまつわる何かを作りたかったのだそう。
実際に、友人が来たときはおもてなし料理を作ったり、好みのレシピを研究したり、今も暮らしを楽しむのもお上手なんです。
庄司さんのつくるものは、「こんなのいいよね」や、「あったら楽しそう」、
そんな視点を大事に作られているように思います。
きっとテーブルにも楽しいを届けるようなアイテムをご用意できそうで、楽しみです。
(少し前にイベントで見せていただいた宮崎の海や林から産まれたアイディアスケッチ。
リアルな色味は気にせず、風合いだけを抽出したりするのだそう。)
University of the Arts Londonを卒業後、建築事務所やテキスタイルデザイン事務所勤務を経て独立。
建物空間のためのカーテンを中心にテキスタイルデザインから制作まで行っています。
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